何人かも取り上げていると思いますが、昨日仮想通貨界の歴史の1ページに語り継がれそうな事件が起きました。
昨日Steemのハードフォークが23時に予定されており、予定されていた通りの変更が実装されました。
その変更の一つに対象のアカウントの資産を差し押さえてcommunity321というアカウントに集約するというものがありました。
23時のハードフォークの10分前、まさにハードフォーク直前に、何者かがcommunity321のパスワードを書き換えました。
そしてハードフォークを迎え、資産がcommunity321に移された瞬間、そのすべての資産が取引所のBittrexのアカウントに送金されました。
その送金にはメッセージが添えてあります。
2362万ものSTEEMがBittrexに送金され、「これは盗まれたものなので、元の持ち主に戻してあげてください」というメッセージ
そして、Justin SunのアカウントとSteem証人のtripple.aaaのアカウントに下記のメッセージを送っています。
意味は「Stealing is bad」、「盗みはよくない」というとんでもない皮肉のメッセージです。
昨晩Discordの某コミュニティでほぼリアルタイムで様子を見守っていて、これを見たときはさすがにちょっと笑ってしまいました。
Steemの皆様には申し訳ないですが。
この犯人（Hive側からはヒーローやロビンフッドと言われている）ですが、現段階では誰だかはっきりしていません。
今回の措置をよく思っていないSteem陣営の内部説もありますし、AnonSteemというサービスで作成されたアカウントでリカバリアカウントも@anonsteemで設定されているため、AnonSteemを運営している@someguy123によるハッキングではないかという話もあります。
AnonSteem: https://anon.steem.network/
いずれにしろ、仮想通貨のパスワード管理の基本である、第三者サービスを利用したアカウント作成後はパスワードを変更してセキュリティ面を高めることを怠っていた（していたけどハッキングされたのかもしれませんが）ことは落ち度ではないかと思います。
皆様もアカウント管理には十分に気を付けてください。
Steem陣営は@someguy123が実行犯とみているようですが、本人は自分ではないことを示唆しています。
community321はその後「You're Welcome」という表題とロビンフッドの画像を投稿しています。
https://steempeak.com/justinsunsteemy/@community321/you-re-welcome
そして報酬のBeneficariesを@bittrexへ100%に設定している徹底ぶり。
巻き込まれた形のBittrexですが、Bittrex共同創業者のRichie LaiはBittrexの声明と、こういうことに巻き込まないでほしいというような気持ちを発言しています。
https://twitter.com/richiela/status/1263270244245598208
- richiela
Kobayashi Maru scenario（コバヤシマル・シナリオ）はどういう意味かスタートレックのwikiで確認してみてください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%90%E3%83%A4%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%83%AB
Bittrexからの発表の内容については@kinakomochiさんが解説していますのでご確認ください。
@kinakomochi/qanutt
どちら側の立場からしても法的措置待ったなしな感じがしますが、最終的にはどこまで明らかになり、どんな決着になるのでしょうか？
特にBittrexがどのような判断をするのかとても気になります。
仮想通貨界では間違いなく歴史に刻まれる出来事ですね。
それを利用者として目の当たりにしているのがよくも悪くもいい経験です。